特別展示室
2021.4.29(祝・木)~ 8.29(日)
変化に富んだ美しい風景と伝統的な文化、慣習に彩られる伊勢志摩国立公園は、1946年に指定され、2021年で75周年を迎えます。開館50周年を迎えた当館の初代館長である石原円吉は、指定に大きく寄与したことから「伊勢志摩国立公園の父」と呼ばれており、海の博物館とも深い縁がある国立公園です。
国立公園指定後はもちろん、それ以前から伊勢参りや周辺の景観、さらに豊かな海の幸を楽しもうと、多くの人々が訪れ、伊勢志摩の海を満喫してきました。そこで購入する土産品は、旅行者や周囲の人々に当地域の海の魅力を伝える役割を果たしてきました。
そこで伊勢志摩地方の土産品を通じて、そこに反映された地域の海洋文化、景勝の美しさなどを感じ、それらを如何にして守ってゆけばよいか考えていただくべく、本展を企画しました。
主催:鳥羽市立海の博物館
共催:一般社団法人伊勢志摩国立公園協会
後援:伊勢市、志摩市、南伊勢町
特別協力:船の科学館 海の学びミュージアムサポート
神宮のある伊勢は全国から多くの来訪者を集めてきたため、周辺の海からあがった海産物が運び込まれて旅人の需要を満たし、それらは伊勢の名物として認識され、「伊勢みやげ」と称されました。
ここでは参宮客に喜ばれた海の幸、伊勢御師が全国へもたらした海産物をテーマとし、海の資源をながく利用してきた歴史、海によって支えられてきた食文化などについて学んでいただきます。
□写真:伊勢御師邸での料理再現
近代以降は印刷技術の発達とともに、色鮮やかなパンフレットや絵葉書が一般に広く流通し、伊勢志摩の海に惹かれた多くの人を当地へといざないました。
本章では明治から昭和初期にかけて、伊勢志摩地方を紹介するパンフレットや絵葉書、そこに掲載された多様な海の習俗を紹介するとともに、景観や自然などを保護・保全し、海の魅力を発信する役割も果たしてきた伊勢志摩国立公園のあゆみについても紹介します。
伊勢志摩地域ではかつて、真珠や貝を使った民芸品がみやげ品の定番として定着し、旅行者は当地域の住民と海が密接に関わってきたことを実感してきました。
ここでは美しくおもしろい貝細工・真珠細工の実物や、製造・加工道具を展示し、海からの恵みが当地域の産業・観光・経済を支え、伊勢志摩の海のイメージを作り上げてきたことを知っていただきたいと思います。
現代は旅行者の好みや旅のスタイルの変化、新型コロナの流行なども相まって、伊勢志摩でも環境に応じた新たなみやげが次々に登場しています。
本章では現代に親しまれている伊勢志摩のみやげ、近年登場してきた品のトレンドを紹介することにより、新たな伊勢志摩の海の魅力を伝え、今後の名物の開発などにも役立つような展示を目指します。
テーマ/「伊勢志摩国立公園の海」
景色や祭り、漁業など当地域の海に関連する写真をご応募ください。
サイズ/4ツ切(ワイド4ツ切)またはA4サイズ(プリント応募のみ)
真珠養殖に使用されるきれいな貝殻からできたパーツを組み合わせて、オリジナルの模様や絵を作り、額装します。
●定員 各10名(要申込)
●参加費 500円
●講師 境一久(境工芸社)
真珠の魅力や謎などあれこれ楽しいお話を聞きながら、真珠やそのほかのパーツを使って、世界に一つだけのブレスレットを作ります。
●定員 各10名(1組5名まで、要申込)
●参加費 500円
●講師 辻本波志武(ツジモト真珠)