特別展示室
2022.7.16 (土) ~ 11.23 (水•祝)
特別協力
以前は未知の世界であった現象や場所でも、現代では様々な事象が科学的に証明され、海のなかも深度1万メートルを超える深海まで人の目が届きつつあります。
しかし、かつて海のなかは陸上とは全く異なる、神秘的な“異世界”として認識されており、人は海に人知の及ばない存在を見出し、妖怪や神仙の伝承が数多く生まれました。それは人々が海や自然そのものと日常的に接しながら、敬意と畏怖を抱いてきたことのあらわれでもあります。
本展では、妖怪や神さま、精霊、伝説上の生物などをまとめて“妖しもの”と総称し、それらを描いた絵図や民芸品、祭具、アーティストの作品などを展示するととともに、志摩半島周辺と、全国各地の伝承、妖しものがもたらす災厄から逃れるために編み出されたまじないなどを数多く紹介しながら、人と海との共生の歴史、海にまつわる信仰を知っていただきたいと思います。
主催:鳥羽市立海の博物館 特別協力:船の科学館「海の学びミュージアムサポート」
三重県を中心に、海上安全を願う祭りやまじない、願掛けの道具などを展示することで、海民の信仰と妖しものの関係について紐解きます。
海女を海中に引きずり込むという“トモカヅキ”や、蜃気楼で幻を見せるという桑名(または四日市)のハマグリ、禁漁の掟を破って命を落とした男の怨念の話〝阿漕の平治“など、三重県の代表的な妖しものを紹介しつつ、説話のなかにみえる漁撈習俗についても学んでもらいます。
全国各地に残る、海の妖しものにまつわる民話(大ダコ・龍神・海坊主・牛鬼・神社姫・平家の怨霊など)や、その裏にある先人たちからの教訓なども併せて解説し、妖しものというフィルターを通して、人と海との闘い、共生の歴史を学んでもらいます。
その奇妙な形状から、西欧では「デビルフィッシュ(悪魔のサカナ)」とも称され、数々の妖怪伝説のモデルにもなっているタコを触って、さばいて、身体の構造を観察しつつ、タコ焼きなどを作ります。
●参加料 300円(入館料別)
●定員 15名(要申込)
『三重の怖い話』(TOブックス)著者であるプロ怪談師の志月かなでさんを招き、海にまつわる怪談や朗読を披露してもらいます。
●参加料 無料
●定員 50名(要申込)
●講師 志月かなで(怪談師)
妖怪書画家の蘭陵亭子梅さんから全国各地の海の妖怪伝説についてお話を聞き、自分が想像した妖怪を自由に描きます。作品は一定期間、博物館にて展示予定です。
●参加料 300円(入館料別)
●定員 15名(要申込)
●講師 蘭陵亭子梅(妖怪書画家)